センスは知識の集大成!ブランディングデザインで意思決定を簡単に

「『売る』から『売れる』へ。」(水野学のブランディングデザイン講義)を読んでの、感想&まとめです。

読書感想文

本書の主な内容は、ブランディングデザインの必要性を、実例とともに紹介するものです。

著者は、「くまモン」やドコモ「iD」の生みの親である、水野学さん。

大学の講義が元になっているので、ブランディングの知識が全くない私でも、スラスラと読むことができました。

多くの実例が写真とともに紹介されており、ブランディングデザインによって企業が生まれ変わっていく様子は、明快かつ爽快です。


↓印象に残った言葉。(別の本のタイトルにもなっています。)

「センスは知識からはじまる」

簡単に言うと、センスの良し悪しは生まれつきではなく、後天的に知識の積み重ねを経て会得するものということです。

よく考えてみると、そうですよね。

洋服のセンスが良い人は、洋服に関する雑誌をたくさん読んでいるし、道行く人たちの洋服からも学んでいます。

商品陳列のセンスが良い店員は、展示方法について深く考え尽くしてから、商品を並べています。

仕事のセンスが良い人は、仕事に関する必要知識を、絶えずアップデートしています。

知るべきことを知り、それを条件に合わせた形でアウトプット。

それが「センス」。

一朝一夕で身につくものではなく、圧倒的な知識量に支えられているのです。

「センスがないから」と言い訳する暇があったら、知識を貯めよう!

センスはマナーであるという水野学さんの言葉に、はっとして、背筋が伸びました。

服装だけに限らず、発する言葉や仕草、考え方などのアウトプット全てがセンス。

センスの良い人と一緒にいると、心地よく感じるものです。

そんな人に、私もなりたい。

※「センスは知識からはじまる」は写真左の本です↓

読書ノート

自分の仕事や私生活で実践しやすいように、トリガーとなる言葉を抜き出す形でまとめました。

※自分用にまとめたノートです。言葉の定義や言い回しが違う箇所がありますので、詳しくは本書をご覧ください。

ブランディングデザインとは

ブランディングデザインとは、製品や会社の認知を高めるために、見え方をコントロールし、視覚的に発信していくことです。

物にも情報にもコモディティ化が進んでいる今、良い物を「売る」だけでは勝てないことから、その必要性が重要視されています。

例えばアップル社の製品の場合、メールマガジンの写真やパッケージのデザイン、製品の細部のこだわりまで、全てが一貫してカッコイイですよね。

ブランディングデザインがうまくいっているからです。

結果、「macbook広げているとカッコいい」「スマホといえばiphoneでしょ」という認識が、世の中に浸透しています。

多少お値段が張っても、あえてiphoneを買う人が多いのも、ブランドが確立しているから。

※もちろん性能も良くて使いやすいですよ。

先日読んだ、山口周さんの「世界のエリートはなぜ美意識を磨くのか」とも通ずるものがあり、やはり真善美の時代なのだなぁと再認識しました。

↓こちらの記事で詳しくまとめています。

デザインを武器にする

せっかく良いものを作っても、その製品や企業の価値を正しく伝えないと、消費者は選んでくれない時代です。

「見え方」をコントロールせず、儲けの数字だけを追い求めたセンスのない企業は、淘汰されてしまいます。

だから、デザインを武器にして、企業が目指すところや考え方を、きちんと世の中に伝える必要があります。

デザインを武器に、ミッションやビジョンを伝える。

これって、そのまま個人にも当てはまりますよね?

日本には、素晴らしい考え方を持っている人、魅力的な人が多いのに、それらを上手に見せていない場合が多い。(自己表現が苦手。)

良いアイデアなのに、、、
子ども想いの母親なのに、、、
素晴らしいNPOなのに、、、
やっている内容や考え方を、きちんと世の中に伝えられていない!!

もったいないなと思います。

一生懸命やっているのなら、「見せ方」を上手にコントロールして、メッセージを伝えるといいのに。

人という生き物は、心が動くと応援してくれ、味方になって助けてくれる。

自己表現が上手な人、つまり、自分の見せ方をうまくコントロールできている人は、孤立しません。

ブランディングデザインの視点や考え方は、企業だけでなく、個人にも必要です。

本書を読んで、ブランディングデザインこそ、学校の授業で取り入れられるべき内容なのでは?!とさえ感じました。

「売れる」をつくる3大要素

ここからは備忘録なので、サラリと書き留めます。

売れる要素:

  • 発明
  • ブーム作り
  • 「〜らしさ」=ブランド

ミッション、ビジョン、コンセプトの大事さを再確認。

コンセプトは、チームを動かす地図であり、道を外れないための警察でもあります。目的や大義についても、本書で具体例とともに詳しく書かれていています。


軸のあるデザインで、見え方のコントロールをする。

「〜らしさ」が大事なのは、日常生活のみならず、SNSやブログでの見え方にも言えること。

もう少し、ブログ運営をしている意味を考えてみたくなりました。

センスを磨く方法

P53からは、具体的なセンスの磨き方が説明されています。

↓簡単なまとめ

本書で例として出ていた「THE」プロジェクト誕生秘話は、物が溢れる現代において、何が大事なのかを考えさせられました。

全体を俯瞰して問題を発見し、どうしたら解決できるか考える。

優れたデザインというものは、社会に問題提起できる力をも持ち合わせているのですね。

ブランドは細部に宿る

この章を読んで、街中の風景がガラリと違って見えるようになりました。

このメーカーは、どんなブランディングデザインをしているのだろうと、ついつい考えてしまうのです。

それどころか、人を見る目さえも変わりました。

あの先輩と話をしてて落ち着くのは、考え方の軸がしっかりとしているからなんだなとか、この人は見え方のコントロールがイマイチだなとか。

行動の節々に個性が出るように、企業が発信する内容の1つ1つがブランドを創る。

アウトプットの全てがブランディングデザイン

時として、企業の運命を左右するほど重要なブランディングデザイン。

自分や会社の価値観を、棚卸ししてみたくなりました。

参考図書&リンク

最近読んだ水野学さんの本3冊です。どれもサラリと読めるのに深い内容でした。

↓今回の本です。

↓センスは知識からはじまる。こちらを最初に読むといいかもしれません。

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↓水野学さんの仕事の進め方。周到な準備に脱帽でした。実践編です。

あとがき

どの本も語り口が丁寧でわかりやすく、水野学さんのお人柄や、仕事に対する真摯さが伝わってきました。

同じクリエーティブディレクターであっても、水野さんみたいに印象の良い人もいれば、感じの悪い人もいます。(個人の意見です。)

もしかしたら、「人柄」や「仕事に対する姿勢」も、知識の集大成なのでは?

これまでの経験が知識として積み重なっているから、今の生き方が「センス」として表面に現れているのかもしれない。

そう考えると、これから先にインプットしたいこと、子供達と一緒に経験したいことが変わりそうです。


〜余談(つぶやき)〜

世の中には、2つのタイプのセンスがあると思うんです。

1つ目は、特別な審美眼を持った人たちだけが理解できるような(人によってはあまり好みじゃないけど芸術的要素満載な)、芸術的センス。

2つ目は、無駄を削ぎ落として本質のみを残した、万人に理解されやすい知的センス。

「センスは知識から」というのは、後者の方に焦点を合わせたものではないかな。

芸術家とクリエイティブディレクターは、センスの磨き方や獲得プロセスが違うように思えるのです。。。

ブランディングデザインについては、まだまだ理解できてない部分が多く、だからこそ面白い。

もっと深く理解したいので、もう少し関係する本を読んでみます。

以上、個人的なつぶやきでした。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪