世界が変わって見える知性のしくみ:具体と抽象[細谷功著]

世界が変わって見える知性のしくみ:具体と抽象[細谷功著]を読んでの、感想&要約です。

読書の感想

ビジネスコンサルタントである細谷功さんが、具体と抽象を行き来して新たな「知」を見つける過程を解説した本です。

テーマ自体は難しいですが、何通りもの例や言い回しで「具体」と「抽象」を分析しているので、読み進めるごとに理解が深まります。

ふんわりとした抽象概念をここまでキッチリと語られると、納得を通り越して爽快感すら感じました。

漫画家・一秒さんが描くネコの4コマ漫画が良い箸休めとなり、あるあるな「場面」にクスッと笑いながら、楽しく読み終わりました。

要約ノート

前回に引き続き、B6のカードを使用しました。図がメインのまとめです。オレンジ系=具体黄色系=抽象で色分けをしています。

※自分の解釈をもとにした図解です。言い回しや表現が違う箇所も多くあります。詳しくは本書をご覧ください。

具体と抽象を行き来する

具体と抽象の言葉の定義は、gooの国語辞典にはこう書いてあります。

[具体]…物事が、直接に知覚され認識されうる形や内容を備えていること。
[抽象]…事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。

接続詞で考えると分かりやすいです。

  • 例えば(具体化)
  • 要するに(抽象化)

例文:

「最近は実用書を多く読んでいます。例えば、メモの魔力、PRESIDENT雑誌、アウトプット大全などです。」(具体化)

「最近読んだ本は、メモの魔力、PRESIDENT雑誌、アウトプット大全などです。要するに、実用書が多いです。」(抽象化)

言葉としては、難しいことはありません。

抽象化のイメージ

本書では、抽象化をもう少し突き詰めて、1つの事象から目的や方向性によって共通の特性を抽出することと定義しています。

図解や単純化なども、抽象化の1つです。

  • 分厚い本を、A4用紙1枚くらいに要約する。
  • 複数の女の子の顔を、パーツを単純化してデフォルメする。

抽象化を木に例えると、幹のみを残して、必要のない枝葉は全て刈り取ることになります。

よりシ少なく、よりシンプルに。

何だか断捨離の世界みたいですね。

何を残すのかを迷わないためには、最初の方向確認が大切です。

知的生産へのサイクル

本書の中で何度も語られていたこと。

「具体」と「抽象」はセット考え、必要に応じて双方を行き来する必要がある。

「具体」は、現実ベース。

「抽象」は、思考ベース。

私はこのように解釈しました。

いつも具体的で目の前の仕事ばかりに追われている人は、木を見て森を見ず。成長は望めません。

反対に、いつも抽象的で思考の世界でのみ生きている人は、せっかくの知識を実生活に生かすことなく机上の空論で終わります。

では、どうしたら良いのか?

↓本書で何度も出てきたピラミッドを、自分流にアレンジしてみました。

  • 事実をみる
  • 気づきを得る
  • 教訓を導き出す
  • 転用して実践する

このサイクルを繰り返し行うと、スパイラル状に知的水準が上がって行きます。

ここだけを取ってみると、メモの魔力で有名な前田裕二さんのノート術や、4行日記と似ているなと感じました。

↓前田裕二さんのメモ術が掲載されていた雑誌です。4行日記のつけ方も、この雑誌で知りました。

実際にはサイクルというよりは、抽象化に偏っているなと思ったら具体的に考えて、全体を見渡せていないなと思ったら本質は何かを考えながら抽象化するといった、臨機応変な行き来が必要です。

いつでも利用できるように、抽象と具体の間にハシゴを置くようなイメージです。

〜余談〜

↓[抽象化の梯子(ハシゴ)]

ladder of abstraction

英語では [具体]=concrete、[抽象]=abstract です。

climb up & down the ladder of abstraction.

大学時代の英語の先生が、人に説明する時に重要なのはね、、、と説明してくれたことを思い出しました。

社会に出て、いろいろな人と話をするようになって、やっと必要性がわかってきました。

参考図書&リンク

↓今回の本です。中古の値段が下がっていないので、kindleが一番安いです。(2020.9現在)

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↓同じ著者の、具体と抽象のトレーニング本です。ちょっと興味あり。

↓前に一度読んだことがある細谷功さんの本(漫画版)です。地頭力の思考を、「抽象化思考力(単純化することで本質を得る)」「フレームワーク思考力(俯瞰視してゼロベースで考える)」「仮説思考力(ゴールから考える)」の3つに分けて説明してあります。

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↓思考力に関連する齋藤孝先生の本のレビューです。

あとがき

今回の本は、イメージで思考整理しやすいように、図解がメインになりました。

色を塗って具体と抽象を感覚的に捉えられるようにしたらどうかと思いつき、塗り始めたら最後、楽しくて没頭している自分がいました。

出来上がったカードを手に取り達成感でニヤリ。凝り性とは、私のことです。

それにしても、具体と抽象は奥が深いです。

人は未知の事象と遭遇すると、無意識に過去の経験と照らし合わせて物事を考えます。

その時、表面的・見た目だけでなく、階層的・関係的に考えることができるかどうかが、抽象と具体をスムーズに移動する肝になります。

過去の学びを別の学びに生かす「学習の転移」や、全く違う業界からアイデアを得る「アナロジー(類推)」も、抽象と具体の移動がなければ成り立ちません。

↓本を読みながら書いたメモ&読書カードを並べたもの。

自分にとって重要な情報を抽出してシンプルにする作業は、まさに抽象化のトレーニングになっているのではないかと、勝手に解釈しています。


知識同士がつながって新しいアイデアが生まれる瞬間は、抽象度の高い位置にいる人のみが経験できる特権です。

数学や哲学に長けている人たちが見ている世界は、さぞかし面白いだろうなと思いました。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今日も、良い1日を〜♪


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